皆さんは足先というと何をイメージしますか?
踊るときに足先を使っていますか?
踊りでは表現としての動作的なイメージが先行するので、そもそも靴を履いて踊っている方々の場合は足先が表に出ていないこともあり、あまりピンと来ない人も中にはいるかもしれません。
しかし、踊る踊らないに限らず誰しも足先をうまく使って生活をしています。
生活に必要不可欠な動作
ここでは足首から先の部分を足先と定義づけて話していきます。
つまり足首、踵、ボール、指などの部位を含みます。
普段当たり前のようにやっている動作を起点として担う足先の働きを紐解いてみると・・・
●生活に必要不可欠な動作「起立」
足の裏が床と接する
体の全体重を支える
重心のバランスを取る
地面を捉えることで踏ん張る
●運動の基本「歩行」
足から足へ重心を移動する
もちろん足先だけでなく足腰然り無意識的に体全体を機能させながら人の動作は成り立っていますが、こうして体が自然と当たり前のように動くということが実はとても神秘的なことだなと私は感じるのです。
今回はそんな足先に着目し、踊りとしてのテクニックをお伝えしていきます。
タンデュ

正式には【battement tendu】
バットマン・タンデュと読みます。
意味は、
battement(beat 打つ)
tendu(ストレッチされた, 伸びた)
タンデュは、脚の付け根から膝を伸ばし、つま先が床に触れた状態で前後または左右に足を出す動きのことです。一見足先だけの動きと思われがちなのですが、全身でつま先まで動かしていくことが大切です。
足の動きにメリハリが出る
足先が鍛えられる
足裏や足の指を意識して動かすため自然と足先のトレーニングになります。足の先が弱いとバランスがうまく取れなかったり転倒などの原因になります。しっかりと足の裏で床を感じ、床を捉えるようにしていくと全体のアラインメントや動きのバランスが調って来ます。
脚の動きにメリハリが出る
足先まで神経が行き届くことで、踊りにメリハリが生まれ動作に対する表現が豊かになります。足の地面とのリンクの仕方で動きの表情は大きく変わります。 まずはタンデュの基本の手順をやっていきます。
※無理矢理足先を伸ばすと足の裏などを攣りやすいので、準備運動後の体が少し温まった状態で始めてください。
〈基本・手順〉
1番ポジションで立つ。腕は2番、又は何かに掴まってもOK。
内腿からターンアウトする意識を維持したまま、脚の付け根から脚を動かす。
踵は前に押し出すようにして、ボールを通りゆっくりとつま先まで伸ばす。
一足を戻す時一
小指から順番に床についていくように、ボールを通り、脚の付け根で引いていくように1番ポジションへ。
足先を伸ばす際の三段階を意識してみよう!
踵から動く
指の付け根を通る→足の甲が出る
指を伸ばす
⑴ 前・横・後 (アン・クロワで往復) タンデュ。
⑵ タンデュ→ボールを床に付ける→再びポイント→戻る
⑶ タンデュ→足裏全体を床につける→再びポイント→戻る
⑷ 左右交互にタンデュ。(重心移動を素早く)
⑸ タンリエ。プリエを加える。(重心移動の際に骨盤の一定を保つ)
普段の練習に取り入れたい習慣
普段から靴を履いていると床と足が直接触れないので床を捉える感覚が薄くなってしまいがちです。足の裏で床を感じるために靴を脱いだ状態で床に立ち、目をつぶって自分の体のラインやバランスを感じながらイメージしてみてください。
足の指を手で広げたり、ストレッチしましょう。 血行が促進されることで指や足裏を使いやすくなります。床を捉える感覚も強くなるのでおすすめです。
ヒールを履くダンサーは踵が床から浮くことで全体的にアンバランスになりがちですが、指の付け根や母指球あたりを意識しながら床を踏むようにしてみましょう。ルルベをしているときと同様のイメージです。ヒールを履く際は特に体全体で引き上げる意識を持つことが重要です。
◎引き上げる意識については「踊りは”立つ”ことから!基本のオープンポジションとルルベ」でも解説しています!