BLOG

ブログ

今日は藤井ごうさん演出の舞台のお知らせいただき、演劇集団Ring-Bong「見えないランドセル」を観に行きました。コロナ禍に助長される人々の不安感とストレスや児童虐待問題などを取り上げた内容となっていて、今だからこそ見たい作品であり、見て本当によかったと心から感じる素晴らしい舞台だった。

当たり前にあった人と人との交流や繋がりを分断されることの影響は思っているよりも深く、見えない部分にこそ大きな歪み(ひずみ)が生じているということを強く感じさせられる。

ネグレクトをしてしまう母親にも傷があり、様々な傷を抱えながら生きている人がこの世にたくさんいるのだろうと思うと、コミュニティーや交流の場を絶たれ孤立していくことに一層暴力的な危うさを感じずにはいられない。これだけ文化を育み文明を開花させてきた人類は生物的に逞くもありながら、一社会に置かれたときに世の中の常識や体裁を気にして生きていくということ、そして弱者という立場に立たされれば案外にも脆く、命さえ軽く絶たれてしまう可能性は大いにある。不幸は連鎖していくのだ。

コロナは単なる感染症ではなく、それによって今起きている状況は重症な社会現象と思う。

一人一人が考えて行動を起こすためには風潮としての全体主義を脱却する必要があるし、その根幹は教育にあると思う。今の政治家の至らなさ、そんな人々を政治家として選んでしまう国民の凡庸さ。それらが一貫してこの社会を作り上げているわけだからやはり全体よりもまず、個人それぞれが考えて気づいて行動していくことが社会における不幸を断ち切る一つの方法なのだろう。

個人的には、この劇の中で鬼頭典子さん演じる助産師と主演の中山万紀さん演じるネグレクトされた過去を持ち育児放棄してしまう母親の愛情のある繋がり方にとても感動した。今思い出しても泣けるくらい素晴らしかった。人って本当に助けが必要な時があるんだよね、と思う。そんな時にそこで人にシェアできるくらいの愛情を持っているか持っていないか・・・・自分でも自分のことはわからない。私も他人が恐いと感じることがよくあるから、どうしても一人でどうにかしなくちゃいけないと思ってしまう。家族以外をどう信じたらいいかわからない時もある。それでも、本当に手を差し伸べてくれている人があり、そういう愛情を信じることの大切さをこの作品を見ていて感じさせられた。

その母親と児童施設の頃の恩師が再会し、恩師に抱かれて泣き叫ぶ姿もとても感動的だった。人の持つ本来の温かさがそこには溢れんばかりに表現されていて、演技も素晴らしいだけでなく本質・本物を見させていただいた気がする。生命を尊ぶこと、人との関わりや繋がりの中にこそ愛情は育まれ、自分達も日々成長しているということ。だからこそ人は一人で生きていく生き物ではないのだ。

演者さん皆さんが素晴らしかった!!たまたま会場も小さめでものすごい臨場感があり、まるで同じ空間、同じ世界でその話の中のコミュニティーに自分も存在しているかのようなスリルとリアルな錯覚を覚えた。これからもこんな作品がどんどん上演され、本質のあるものが世の中を清く変えていくきっかけとなることを祈りたい。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA